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女がひとり、磔にされている。
罪を犯したわけではない。
敢えて言うとするならば、
女が、女であるということ、
その事実に対し、罰が与えられている。
もちろん女に責はない。
しかし誰も、女自身でさえ、
間違っているとは思っていなかった。
それは、この国では当たり前の風景だった。
旅人を装った隣国の王子は、
そっと十字を切ると、心の中で剣を握り締めた。
この国は滅ぼされるべきで、
自分がその任を負おうと、
王子は心に誓った。
『裸の女の肖像』
著者:秋山真琴
発行:雲上回廊
頒布:第十八回「文学フリマ」D-05 雲上回廊
日程:2015年5月5日(祝月)
価格:500円
判型:A6(文庫本)
頁数:108ページ
部数:50部
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(色々並行して読書していますが)秋山真琴『裸の女の肖像』これは好きです。3編しかまだ読んでいませんが大好きな本(エンデ『鏡の中の鏡』)を想起しました。楽しみです。 pic.twitter.com/K6luccjt4q
— ゆら (@yuraco) 2014, 5月 11
『裸の女の肖像』、とりあえず8まで。で、ディスコミュニケーションが欲しい。言葉も嘘、身体も嘘、嘘嘘嘘と何度もめくり、ひらきなおし、うらがえし、嘘も真もない、異なる身体と魂があるのだと、求めるほどに孤独を深めるような。そして無邪気な口づけに我をとりもどすような。
— m2 (@m2_tam) 2014, 5月 16
「裸の女の肖像」。禁忌とあるが艶のある碧色が想起される。なによりスピード感がすごい。そして前の作品・前の前の作品の余韻が幾重にも重なり深く広がりのある読了感。他では得られない世界が広がっている。
— Joe Yamasaki (@joeyama) 2014, 5月 28
秋山真琴『裸の女の肖像』読了。百編の二百文字小説、これだけでも異様にそそる。エロティックだったり美しかったり魔性だったりする女の肖像も良いが、たまに挟まれるずいぶんと可愛らしい女の肖像も良い!特に好きだったのは、9,19,21,32,57,66,70,77,80。あと頁が見やすい
— 伊藤なむあひ (@write_jun) 2014, 6月 7
秋山真琴『裸の女の肖像』感想。まさに《めくるめく》イマジネイションの可能性を何枚も何枚も捲り続けることの興奮と幸福感。極めて大好きな本。永らく携えてゆきたい。 #第十八回文フリ同人誌感想 #bunfree
— ゆら (@yuraco) 2014, 6月 9
雲上回廊の秋山真琴(@unjyoukairou )さんの『裸の女の肖像』読了。200字の小説に様々な「女性性」が描かれる。時に幻想的で、おぞましくもある。作品はそれぞれ独立してるけど、一貫して感じるのはファム・ファタール的な女性像だろうか。裸婦のスケッチ集っぽい。#bunfree
— 唐橋史(史文庫~ふひとふみくら~) (@FuhitoFumikura) 2014, 7月 12
それぞれの作品が個性的で、アクが強いので、短いけれど読み応えがある。一作一作を丁寧に味わいながら読みたいので、100編一挙収録はちょっともったいない印象。(秋山真琴@unjyoukairou 『裸の女の肖像』 )#bunfree
— 唐橋史(史文庫~ふひとふみくら~) (@FuhitoFumikura) 2014, 7月 12